クリニックを開業するために適した立地と、立地を選ばない集患方法
目次
クリニックを開業するにあたって、言うまでもなく立地の良し悪しは最大の要素です。クリニックを新規開業するというのは、人生において非常に大きなチャレンジですから、失敗したくないというのは当然のことでしょう。
このコラムでは具体的に場所を上げながら、どのような場所が有利なのか、また都心と郊外のメリットやデメリットを解説していきます。さらに立地がイマイチ、という場合の集患はどうしたらよいのかについても記述します。
一般に開業に適しているとされている立地の特徴
具体的な場所を上げて、その特徴を考えて見ましょう。当然のことですが、基本的に人がいないところで開業してもメリットが薄めなので、問題になるのはどのような人の流れがあるか、ということです。
商業施設内・商業施設周辺
ショッピングモールなどの商業施設の中あるいは周辺は、集患については有利でしょう。しかしその商業施設自体の集客能力に依存することになりますから、具体的にどの程度の人が来ているのか、時間、曜日、などを具体的に絞って確認・検討するようにしましょう。駐車場の台数、その施設内での人の流れにも注意を払う必要があります。
また、施設内ではなく周辺に開業する場合は、出入り口との位置関係、車の流れなどに注意を払いましょう。施設内ではテナント料が発生しますから、資金繰りもそれを考慮したものでなければなりません。さらに、その施設自体に将来性があるのかも重要です。
施設内に入っているのであれば、同業者が参入してくる可能性は低いですが、周辺の優位な場所であれば、後発で競争相手が現れる可能性があります。これを踏まえて「当院のみが建っている前提で」集患の計画が利益を出せるギリギリのライン、ということは避けましょう。
駅前・駅周辺
人の行き来が期待できる場所です。平均的乗降客数、周辺住民の利用度などをしっかり調査しましょう。どんな線が乗り入れているか、特急や快速が止まる駅か、改札の数や駐車場の広さ、道路との接し方、駅のホームからクリニック自体や看板を見ることができるか、なども確認すべき要素です。
非常に競争率の高い立地でもあるため、既に競合する医院があったり、将来新しいクリニックができたりする可能性が高いでしょう。長いスパンでの集患プランを考え、自身のストロングポイントを明確にしておくことなどを忘れてはいけません。
住宅地
駅前や商業施設に比べると、根本的に人が集まる場所ではありませんから、駅やバス停、学校、商業地に向かう人の流れを正しく把握する必要があります。
住宅地で開業するキーになる数値として、診療圏は広くても半径500メートルと言われています。その中で診療時間内の人口が5000人を超えていなければ利益を上げることは困難です。仮に同じ地域内に同業の診療所があれば、1医院当たり5000人がいるか、という形で情報を集めましょう。
都心と郊外のメリット・デメリット
都心は利便性・集客に優れるが、様々なコストが高い
都市部はもちろん人の流れがあり、潜在的患者数が多いことが一番のメリットです。交通の利便性も高いことから、スタッフを採用するにも優位です。さらに初診の患者数の確保も期待できます。
一方、デメリットも多数あります。競合する医院が既にいたり将来開業されたりする可能性があること、診療範囲がクリニックの周辺に限られること、そして不動産にかかる費用やスタッフに支払うべき人件費が高いことなどです。
都心を選ぶ場合、競合する医院が少ない場所を探し、宣伝広告費を惜しまず集患に力を入れましょう。ストロングポイントを明確にしてホームページなどでアピールすることも重要です。
郊外は様々なコストが低く、競合も少ないが、集客面と将来性に難あり
郊外は不動産にかかる費用が安いため、その分建物や医療機器に予算を回すことができます。都心よりも車で通院する患者を期待することができるので、集患エリアが広く、比較的口コミによる患者を集めることも可能です。競合が少ないこともあり、クリニック一軒あたりの集患数も多く、経営コストも低いため、郊外のクリニックの方が経営的には有利と言えます。
ただし、スタッフの雇用が難しいことや、その土地自体が将来的に人口減少する可能性を持っていること、駐車場の台数を確保する必要があることなどのデメリットもあります。
立地が悪くても、ホームページなどの活用で集客することは可能
好立地であるに越したことはありませんが、予算の都合などで全て思い通りになる訳ではない可能性のほうが高いでしょう。立地に頼った集患ができないのであれば、宣伝広告に力を入れるしかありません。
近年はインターネット上で医院の情報を見て来院するかどうかを考える、というケースが増加し続けています。それはホームページなどを充実させることによって、少しくらい遠くからでも来院してくれる可能性があるということです。
それを踏まえて、他のクリニックとの差別化を意識し、設備や専門性などのストロングポイントを明確にアピールしましょう。ホームページの整備を自分自身で行う方もおられますが、プロに頼ることも重要です。どうしても医療に関わる人が作ると、専門的な言葉を使ってしまったり、色合いやレイアウトがアピール性に欠けたりしがちです。
見やすく、特色をしっかり伝え、行ってみようと思わせる、それこそがホームページの目的です。
まとめ
今回は、開業に関する立地の選び方について説明しました。クリニックの成功に立地が大きく関わっていることがご理解いただけたことと思います。
都心や郊外、駅前や商業施設など、それぞれの場所が持つメリット・デメリットを踏まえて、集患しやすい環境を選びましょう。また、候補地には自分の足を運んで確認することも重要です。曜日、時間を変えて、自信が持てるまで確認に行くなどの努力を惜しまないようにしましょう。
また、開業に当たっては場所代や医療機器にかかる費用にばかり目が行ってしまい、宣伝広告費を甘くみる傾向があります。集患にはチラシやホームページの開設は不可欠ですから、十分な時間と費用をかけて広告を行いましょう。
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