クリニック開業前後の優秀なスタッフの採用方法について

目次

新しいクリニックを開業するに当たっては、受付や事務経理、看護師などのスタッフの採用も重要事項です。新しく開設した医院としてはスタッフの対応も評価の多くを占めますから、とりあえず数を揃えれば良いというものでもありません。このコラムでは採用活動のスケジュールや具体的な注意点などをあげ、失敗しないスタッフ選びをまとめます。

 

スタッフの採用は余裕を持ったスケジュールで

優秀なスタッフを集めるには、何といってもスケジュールに余裕を持つことが必要です。開業が間近になっても予定した人員が集まっていないようでは大きなストレスを伴いますし、結果的に望まない人材を採用せざるを得なくなってしまいます。

最低でも開業の100日から90日前には、医院のコンセプトが定まった状態で、どんな人材を何人くらい欲しい、と明確にしてから求人媒体との詳細な打ち合わせを開始しましょう。

そこで給料の相場や労働条件などを明確にし、60日前には実際の求人を開始します。応募は広告掲載当日からでも来るでしょうが、良さそうな人がいたからと言って安易に打ち切ってはいけません。できるだけ多くの中から、理想に近い人材を探しましょう。

また口頭で内定を出したとしても、その人もより良い職場を求めて他の医療機関の面接を受けているかもしれません。内定者とは「内定承諾書」をかわすなどしてリスクを避けましょう。

このようにして開業の30日前には一通りのスタッフが決定しているというのが理想です。これらを複数の人員に対して行いつつ、他の開業準備を行うのはかなりタイトな作業ですから、開業を支援する会社などを有効に活用されることをお勧めします。

 

スタッフを選考する際に気を付けたい基本のポイント

どういった人材が必要なのかといった明確なビジョンを持つ

募集の広告を出す前に、自分のクリニックにとってどんな人材が何人必要なのかを明確にしておきましょう。経験値やスキル、人柄などはもちろんですが、いくら払えるのかも決めておく必要があります。周囲の医院より低い金額しか提示できなければ、応募してくる人も少ないでしょうから地域性の把握は必須です。また複数のスタッフがいれば、院内でのトラブルが発生する可能性もあります。協調性や人当たりなどもきちんとチェックしましょう。

さらに応募してくる人の大部分はホームページをチェックします。自分自身がそこで働くのですから、可能な限り情報が欲しいと思うのは当然です。そのためにもホームページは開院前からしっかりと作り込み、コンセプトやメッセージ性が伝わるようにしておきましょう。

書類選考で応募者の性格が分かる

履歴書や経歴書は一見すると似たようなものですが、細かく見るとその人の人柄をあらわす箇所が多数あります。誤字や脱字がないか、書き方、紙の折り方などが丁寧かどうか、といった点から仕事に対する取り組み方も見えてきます。

また、字の上手さと丁寧さは別のものとして見る必要があります。上手でも雑という人は集中力や誠意に欠けていたり、あるいは非常に多くの医院に応募している、という可能性もあります。一方、決して上手とは言えないものの丁寧という人は、下手でも手書きするのが誠意である、というまじめさを持つ人かもしれません。単にパソコンが苦手という可能性もありますが、それでも丁寧なことは評価すべきでしょう。

方向性がブレないように、面接用の質問集を作成しておく

面接に臨む前に、質問する内容をまとめておきましょう。これが無いと、人によってばらばらな質問をしてしまい、比較しにくいことがありますし、大事なことを聞き漏らすことも避けられます。質問はスキル面だけでなく、以下のように具体的に人間性が分かるようなものにしましょう。

 

・どんな仕事にやりがいを感じるか

・前の職場の良い点を悪い点を挙げてもらう

・職場に対して求めるものは何か……など

 

スタッフはクリニックの顔!クリニックの評判を落とさない採用術

医者目線だけではなく、来院者目線も大切に

医療機関は専門性を伴う所なので、どうしてもスキルや経験値ばかりに着目しがちです。それらはもちろん重要な要素ですが、患者から見た視線も忘れてはいけません。

受付スタッフや看護師の態度はそのクリニックの評価を大きく左右します。現実的には患者にとって専門的なことは分からないことが多いですから、技能よりも態度や話し方などに目が行くものです。

スタッフ同士の和気あいあいとした雰囲気作りも忘れずに

医師が思う以上に患者はスタッフの人柄を見る、という点は前述しましたが、もう一つ患者の目につくのはスタッフ間、あるいは医師とスタッフの関係性です。スタッフ同士でいざこざがあるようでは、クリニックの評判を落としますから、性格がきつそうな人は回避した方が無難かもしれません。

また雇用主として極端に厳格すぎると、医師の姿が見えないところで陰口を言う、などもあり得ます。院内の空気は経営者である院長に掛かっていますから、雰囲気作りも大切にしましょう。

 

まとめ

ここまで書いてきたように、スタッフの採用はクリニックの評判に直結しますから、どれほど良い人材を揃えられるかが成功のカギであるとも言えます。求人には雑誌やハローワークを使う手もありますが、近年はインターネット上での情報収集が当たり前になっていますから、ホームページの活用が必須です。しっかり備えて優秀な人材をゲットし、スムーズな開業を迎えられるように準備しましょう。

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