心療内科のクリニックの開業に必要な条件とは

目次

こちらは心療内科のクリニックを開業されたい医師の方を対象としたページになります。

○このようなお悩みはありませんか?

現在まで所属してた心療内科とは異なり、自身の重きを置いた心療内科のクリニックを開業したい。

しかし・・・・・

心療内科のクリニックを開業したいが、何から手を付けたら良いのか?

競合となる他院の心療内科のクリニックについてどのように調べたら良いのか?

等、検討するべき課題に貴重な時間を浪費していませんか?

○心療内科のクリニックの開業について一緒に考えていきましょう

ここ数年、日本ではクリニックを開業される医師の数が増えている傾向にあります。 しかし、いざ開業をしたとしてもクリニックの経営が安定には時間がかかります。 一番需要があると言われている内科のクリニックであっても、半年で黒字化するのは難しいとされています。

またクリニックの開業には様々なステップがあり、1年以上の時間が掛かる場合もあります。

このサイトでは、心療内科のクリニックを開業するにあたり最低限知っておくべき情報を一目で見ることが出来ます。

心療内科のクリニックの開業、そして経営までを成功させる為、是非最後まで一読くださいませ。

○心療内科のクリニックを開業する為に最低限に必要な情報は?

以下の5つの情報が必要になります。

―①場所の選定:場所の調べ方

―②土地の大きさ:心療内科のクリニックに必要な面積

―③人数:心療内科のクリニックを回すのに最低限の人数

―④目標値の立て方:経営方針

―⑤特別な配慮:心療内科のクリニック特有の注意点

では詳しく見ていきましょう。

①心療内科のクリニックの開業に最適な場所はどこか?

まずは大まかで良いので、開業する場所を数か所ピックアップしてみましょう。そしてその場所の「患者」「競合のクリニック(他院)」の数を比較していき、最終的な外業に最適な場所を選定します。

それらの情報を得るためには、「診療圏調査」という、開業場所としてその場所が最適であるかどうかの調査が必要になります。

人口と受療率を元に計算する方法を使い、「心療内科に通われる患者が自院に来院が予測されるエリア(診療圏)」にいる総患者数を算出します。 そしてその総患者数の中から競合で案分をすれば、自院への来院患者数が予測できます。

具体的には「エリア人口×受療率÷(科目別競合医院数+1)」という公式を使い計算をします。

※:エリア人口とは国勢調査による居住者数を指します。 ※:受診率とは推計患者数を人口10万対であらわした数 受療率(人口10万対)=推計患者数/推計人口×100,000 参考データ:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/17/dl/02.pdf ※:科目別競合医院数とは競合やその周辺の状況について実際に現地に足を運んで詳しく見ていく定性調査と、様々なデータから機械的に数字を出す定量調査によって得られます。定量調査の結果は、調剤薬局で収集している場合もあります。

この計算結果を見て、数値が大きい場合には、医療充足のニーズが高く選定場所としてベターだと判断します。 逆に少ない場合には、既に同じ診療科(競合)が多く飽和状態であるか、そもそもの人口が少ないと可能性があるため、選定場所としては不向きである判断します。

しかしその数値以外にも注意する点があり、その選定場所特有の地域差を考慮しなくてはいけません。

通院を例に見てみましょう。 都内であれば患者の通院手段は電車がメインとなりますが、地方では車を使う場合が多くなります。

その為、上の公式による計算結果が大きい場合であっても、患者の通院に便利かどうか(通院できるか)等の生活導線を把握する必要があります。

地方では「クリニック周辺に処方箋を調剤してくれる場所がない」や、「クリニックに通院するまでに大きな橋や川を越えなければならない」という患者の声が少なくありません。

どれだけ優れたクリニックであっても、患者が通院に不便だと感じる場所を選定してしまうと最終的にはクリニックの経営が難しくなってしまいます。

それを避けるためにはより詳細な情報が、必要になってきます。

また、自院に通院する患者の範囲を示す「商圏の設定」もしなくてはいけません。 その方法は2つあり、「同心円の距離で設定する場合」と「車による到達時間で線引きをする場合」を想定します。

例)同心円の距離で設定する場合

マップ  自動的に生成された説明



例)車による到達時間で線引きをする場合

マップ  自動的に生成された説明

(出典:https://clinicstation.jp/knowledge/location/1357/

このような情報も考慮しなくてはいけません。

そうしますと、選定したエリア内に同じ診療科(競合)が少ない理由やクリニックというスタイル自体のニーズが少ない理由が等の問題点が見えてきます。

また、自院の経営方針にもよりますが、深夜の診療も行う予定がある場合には、日中と夜中での患者の生活も考慮する必要があります。

これらの計算を何回も繰り返すことにより、クリニックの開業に最適な場所を見つけることができます。

場所の選定は後々のクリニックの経営に大きく響く、大事な作業になります。 出来るだけ細かいデータを得ることを強くお勧めします。 しかし、医師の方は大変多忙でいらっしゃるため、自身での計算は手間と時間がかかり、現実的ではありません。

最近では自動計算アプリ等の簡単な計算ツールが多くリリースされていますが、それらのツール全てを試すにもかなりの時間を割いてしまうため注意が必要です。

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②心療内科のクリニックの建物はどのくらいの大きさが最適か?

クリニックの開業に最適な場所の選定が終わった後には、クリニックのサイズを考える必要があります。

このサイズの選定もクリニックの経営に大きく響くので、しっかりとポイントを把握しておきましょう。

区分すると

「一般的な診療科目の必要面積」、「患者の受診率」、「設備」、「スタッフの人数」の4点は最低でも必要な情報です。

「一般的な診療科目の必要面積」・・・下記の表に記載されている通り、デイケアが無い場合には20坪が平均的な必要面積になります。

「患者の受診率」・・・①の場所の選定をする際の計算結果を参考にして、自院に通院する患者がクリニック内で快適に受診ができるかどうかを考慮しましょう。 受診率が高い場合には、受付を広く設ける等の対策により、効率よく患者の回転率を上げる為の工夫をすることがお勧めです。

「設備」・・・心療内科のクリニックでは、レントゲン装置やMRIのような大きな機器を必要としません。 しかし、自院の経営方針の中で何に重きを置くかによっては必要とする設備も変わってきます。

例えば心療内科で取り扱う薬の中には、定期的に血液検査を必要とするものがいくつかあります。 その為に、クリニックの中に「採血室」を設ける必要があるかもしれません。 そうなりますと、それに付随するシリンジや数種類のゲージを確保する場所も考慮しなくてはいけません。

「スタッフの人数」・・・これは後の項目にも出てきますが、患者だけではなく、上記3点を考慮し、クリニックの経営に必要なスタッフの人数を算出しましょう。

以上4点の設定が曖昧ですと、患者から不満が出てしまう可能性が高くなります。 しっかりとしたイメージを持ち、クリニックのサイズを決めてくことをお勧めします。

 

診療科目

特記事項

必要面積

内科   30 坪~40 坪
小児科 レントゲンの有無 35 坪~45 坪
整形外科 施設基準の有無 50 坪~70 坪
眼科 オペなし 30 坪~35 坪
オペあり 45 坪~60 坪
耳鼻咽喉科   25 坪~45 坪
皮膚科   15 坪~35 坪
婦人科 不妊治療なし 30 坪~40 坪
不妊治療あり 50 坪
脳外科 CT・MRI なし 25 坪~30 坪
  CT・MRI あり 50 坪~60 坪
泌尿器科   40 坪
心療内科・精神科 デイケアなし 20 坪
デイケアあり 40 坪~50 坪

出典:診療所開業 プロの技に学べ! 編著 (株)日本医業総研) 出典:病院に関する主な構造設備の基準及び人員の標準 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002e9b4-att/2r9852000002e9eq.pdf

③4心療内科のクリニックを運営する最低限の人数は?

こちらは②の心療内科のクリニックの建物はどのくらいの大きさが最適なのか、が決まった上で考えていきましょう。 やはり運営に必要な人数も自院の経営方針の中で何に重きを置くか、に大きく依存します。

厚生労働省がまとめた資料(病院に関する主な構造設備の基準及び人員の標準)によりますと、一般的な病院でベッド数が30床程で緊急性を要さない患者を入院させる場合には、指定医及び医を3名以上にするという傾向が多いとされています。

クリニックはベッド数が19床以下であれば、医師一人が診る患者数に制限はありません。医師以外のスタッフはクリニックで入院施設がある場合につき、看護師、准看護師、看護補助者は必要となりますが、入院施設がない場合は医師一人でも開業することは可能です。

実際に心療内科のクリニックを経営されている医師の中には、一人でクリニックを回している方もいらっしゃいます。

しかし医師の負担を考えますと、カルテ入力の補助や診療補助のスタッフを用意した方がクリニックの回転率をあげることに繋がる場合も見られます。

それにより、患者の待ち時間の短縮が見込まれ、結果的に受診率が上がる可能性もあります。

また、カウンセリングに重きを置きたい場合には、心理士も必要になります。 まずは経営方針を固めた上で、必要なスタッフの人数を計算していきましょう。 参照:病院に関する主な構造設備の基準及び人員の標準 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002e9b4-att/2r9852000002e9eq.pdf

④失敗しない心療内科のクリニックの開業の目標設定は?

これまで場所、クリニックのサイズ、そしてスタッフの人数の選定方法をみてきました。 では、これらの選定した条件の心療内科のクリニックを開業するには、何が必要でしょうか? それは「資金」です。

心療内科のクリニックの開業にかかる経費、クリニックを経営していく上での資金(運転資金)が全て「自己資金」であれば、何の問題もありません。

しかし、銀行等の金融機関に「融資」をしてもらい、そのお金を開業資金と経営にあてていくのが一般的です。

クリニックを開業する際には、運転資金を含めて開業資金の総額の2割程度の自己資金があると、金融機関から融資を受けやすくなるというケースが多いです。

しかし、金融機関もその条件だけで融資をしてくれるわけではありません。 この金融機関からの融資を受けることが出来ないと、恐らく心療内科のクリニックの開業と経営は上手くいかない可能性がかなり高いと言えるでしょう。

そもそも病院とクリニックの大きな違いですが、大抵の病院は「ブランド」の力で患者を集めることができます。それが有名な大学病院であればあるほどそのブランド力は高くなります。 しかし、クリニックの場合は院長を目当てに患者が来ます。 この点を理解していないと、患者に選んでもらえるクリニックにはなりません。

ですので、金融機関もクリニックに融資をする際には、そのクリニックに患者が通ってくれる「見込み」があり、経営を継続していける力があるか判断し、融資の有無を決めます。

自身でクリニックを開業されるということは、医師の顔ともう一つ、経営者の顔も持つことを意味します。 会社と同様、人のマネジメントも全てを自身が責任を負わないといけません。

一般企業はビジネスにおいて経営、戦略や計画を立てるために、SWOT(スウォット)分析を活用することが多いです。

この分析を使えば、内部環境(自分自身)の強みと弱み、外部環境(医療市場)の機会と脅威の4つを知る事が出来ます。 まずはこの4つを書き出してみましょう。

内部環境(自分自身)の強みと弱みは、深く考えずに思いつくままに書いてみましょう。 例えば、強みは「コミュニケーション能力の高さ」、で弱みは「凝り性」等のレベルで大丈夫です。 強みを伸ばしていき、弱みはそれを補える他の手段を用意しておけば、問題ありません。

外部環境(医療市場)の機会と脅威ですが、これは競合の存在になります。 競合となる心療内科のクリニックがある場合には、その競合に負けないように差別化する為にはどうすれば良いか。 またこの先、どのような競合が現れたら、自院の経営が危ぶまれるか。 その様な視点で、思いつくままに書いてみましょう。 参考URL:https://www.innovation.co.jp/urumo/swot/ それらの情報を元に、ビジネスの戦略や計画を立て、目標として設定しましょう。 後はその目標に対し、どのような動き方をすれば良いかを考えるだけです。 この様にして心療内科のクリニックの経営方針を決めていけば、金融機関から融資を受けやすくなります。 これが、お勧めの失敗しない心療内科のクリニックの開業の目標設定の方法です。

心療内科のクリニック開業 IT コンサルティング

⑤心療内科のクリニックだからこその注意点は?

日本では心療内科の受診が浸透しつつありますが、心療内科に通う患者様の中には、心療内科に通っていることを周囲の人に知られたくないと思う方の割合は依然として多い傾向にあります。

大通りは人目につきやすいため、心療内科のクリニック建てる際には、少し横道にそれた場所がベターです。

もしもビルの中で心療内科のクリニックを開業する場合には、人目につきやすい1階は出来るだけ避けましょう。

また、内装を決める際も注意が必要です。

心療内科のクリニックに通院する患者は、かなり繊細で緊張をしている状態で診察を受けに来ます。

その状態を少しでも緩和させる為に、心療内科のクリニックの壁の色やソファーの色は落ち着いた色で統一する事をお勧めします。

同様に、患者様の気分を害さないよう、診療室に番号を付ける際には、「4」や「9」と云った、「死」や「苦しい」というマイナスのイメージがわかないように注意するとよりベターです。

心療内科のクリニックの開業に必要な最低限の情報を紹介してきましたが、いかがでしたか? 是非、自院の心療内科のクリニックの経営がうまくいくよう、しっかりと患者が選んでくれるクリニックを作っていきましょう。

☆患者が選んでくれるクリニック作りに悩んでいる方はこちらへ (心療内科のクリニック開業のコンサルティング) 

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